かつて福祉の対象者は主体のない貧しい人々でした。経済の発展と福祉国家の誕生によって、現代の社会では基本的人権のもとに人は皆個人として尊重されなければならないはずです。でも、高度に発展した社会は複雑な環境を生じ、それに適合して生きていかなければならなくなりました。労働は肉体よりも精神を酷使するようになり、過労や母親の労働による子育てや家事とのストレスも問題になっています。お年寄りにとっても長寿社会は必ずしも幸福を意味しません。子どもたちもストレスにさらされ、不登校や心の病の問題もあります。障害がある人も個人として尊重され社会の中で生きて行かれるようになってきてはいるのですが、その人その人に応じた社会の援助も国家の制度もまだ不足して、全ての人にとって生き難い世の中なのかもしれません。 |
| 福祉とは |
| 地域福祉について |
| 地域福祉の基本的な考え方には「ノーマライゼーション」と「インテグレーション」そして「参加と住民主体」があります。「ノーマライゼーション」とは障害者の人権の確立を目指す思想と運動ですが、障害者などの弱者がいる社会こそノーマルだという意味も持っています。1960年台にデンマークから北欧を通して広まってきました。1970年代にはアメリカやイギリスで脱施設化の運動などがおこり、それが各国での障害者を主体とした考え方や政策に結びついてきました。日本では昭和45年の心身障害者基本法の中で「全ての心身障害者は、個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする」と定められました。実際には1981年の国際障害者年の「完全参加と平等」などのスローガンを通して国民の間に広まりました。 「インテグレーション(統合化)」とは、高齢者や障害者が地域住民や一般社会の社会的活動から隔絶されないように、法的、物理的、精神的な壁を取り払い、ともに市民的生活を営むための共生の原理であり、どんな人も分け隔てない社会の仲間として一緒に生活していくシステムが形成される状態です。 「参加と住民主体」という考え方は、ノーマライゼーションとインクルージョンを実現するための重要な条件です。 |
| 障害者の日とは |
| 障害者基本法(心身障害者対策基本法から名称変更)に、障害者の日は12月9日と定められています。 「第6条の2 国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるため、障害者の日を設ける」 12月9日という日は、1975年12月9日、国連が「障害者の権利宣言」を採択した日です。1981年の国際障害者年(テーマは「完全参加と平等」)を記念して障害者問題について国民の理解と認識を一層深め、障害者の福祉増進を図るため設けられました。ボランティア展は1997年の第1回から12月9日の障害者の日に行ってきましたが、2002年からはこの日の前後の土曜日に行っています。 |